【現場を変えるMobilityのアイデア】第36話:弘法筆を選ばず。けれども、Macを選ぶ理由
福田 弘徳
株式会社Too モビリティ・エバンジェリスト
企業や教育機関向けのApple製品の活用提案や導入・運用構築を手がける株式会社Tooのモビリティ・エバンジェリスト。
www.too.com
あなたは自分の仕事道具にこだわりを持っているだろうか? 一流と呼ばれる職人は最高のパフォーマンスを発揮するために、日々自分の仕事道具を磨き上げている。料理人あれば包丁、美容師であればハサミ、文筆家であれば筆やペンなど、それぞれの職に必要な道具は必ず存在し、一流の仕事人は最高のパフォーマンスを発揮するために、道具選びにも決して手を抜かない。
「弘法筆を選ばず」という諺がある。諸説あるが、弘法大師はどんな筆でも立派に書くことから、その道の達人や名人は、道具や材料のことはとやかく言わず、見事に使いこなすということである。つまり、仕事のパフォーマンスを道具や材料のせいにはしないということ。
とはいえ、自分のスキルや能力に合わない道具では、多くの人の場合、本来のパフォーマンスを発揮することは難しいだろう。だから、仕事を始める前の道具選びはとても大事なのだ。
デジタルデバイスに溢れた我々の日々のビジネスの現場においても同じことが言えるのではないだろうか? 業務に集中できる環境を作るうえでも、仕事に最適なデジタルデバイスを選択できるようにすることは、仕事のパフォーマンスを最大限に発揮するためにも重要な取り組みである。
Apple at Workで紹介されている Employee Choiceプログラム(選択制プログラム)についても同様だ。この数年で、ネット系企業やアプリ開発者を擁する企業でのMacの採用率が高まっている要因も、個人が自分のパフォーマンスを最大限に発揮できるデバイスとしてMacを使い始めていること、そういった社員を競争力強化や多様性の観点から企業が獲得しようとしていることが挙げられる。Macを選択することはただのトレンドではない。プロとして仕事に取り組む人たちが、成果を上げるために最適なデバイスを選んでいる結果だ。選択制プログラムでは、社員は「プロとして」自分に最適な道具は何かを考え、選ぶことが求められる。仕事に使うPC一つにしても、ウィンドウズPCを選ぶのか、Macを選ぶのかは、その人自身がプロとして、自分の仕事の成果を最大限に発揮するため、徹底的に自分が使う道具にこだわるということである。
そして、経営者はそうした一人ひとりのこだわりを受け入れらる環境作りをしなければならない。現存する最高スペックのものを揃えればいいわけではないし、現実問題揃えられるわけではないだろう。今の社員のスキルや環境に合わせて、選択できる環境に徹底的にこだわることで、最高の成果に結びつけることができるのだ。
また、選択制プログラムは、仕事へ取り組むモチベーションの向上にもつながる。企業が選択制プログラムに取り組む目的は社員の満足度を高める仕組み作りでもある。道具選びにこだわる社員が増えれば増えるほど、自分の成果やパフォーマンスにコミットし、より高い目標に向かって取り組む環境や文化を醸成することになる。
社員のすべての希望を反映した選択制を実現することは難しい。一方で画一的なデバイスを支給するだけでは、日々変化する環境や多様な働き方に合わず、生産性の向上や効率化を図ることも容易ではない。
選択肢が増えれば、それだけ自分のこだわりを反映できる可能性が高まるし、モチベーションの向上にもつながるはずだ。ビジネスのプロフェッショナルとして、目の前の仕事で最高の成果を上げるためにも、より高い目標を達成するためにも、自分の仕事道具にこだわりを持つことから始めてみよう。
この記事は、Mac Fan連載「現場を変えるMobilityのアイデア」の転載です(初出:Mac Fan 2016年11月号)。
現場を変えるMobilityのアイデア 記事一覧
- 第36話:弘法筆を選ばず。けれども、Macを選ぶ理由
- 第35話:デジタル化はムダな紙資料の削減から始めよう
- 第34話:iPad導入を成功へと導く用途と運用の両輪
- 第33話:Apple ID管理の「解」来たる!?
- 第32話:可能性を拡張する問いを立てる力
- 第31話:腹落ち感が生み出す研修の価値
- 第30話:モバイル活用の本質を見直すタイムマネジメント
- 第29話:結果につなげる 「×考え方」のビジネス方程式
- 第28話:CXを高めるApple製品の客室導入
- 第27話:不快を味わい「学び」をアップデート
- 第26話:CYODの実現に最初に必要な Why? の問い
- 第25話:他社を真似ずに自分たちで“事例”は作る
- 第24話:「ソリューション」という幻想に惑わされない秘訣
- 第23話:AI時代のエコシステムと価値創造に必要な対等な“ツッコミ”
- 第22話:“デジタル変革”に もっとも大切な 目的の明確化と共有
- 第21話:企業の体質改善に求められるITの"目利き力"
- 第20話:心地良さの追求がIT機器導入を「変革」へと導く
- 第19話:iOSによる教育現場の化学反応
- 第18話:企業カルチャーを創り出すオフィスとiOS
- 第17話:知的好奇心を刺激する学び
- 第16話:ITサポートに求められるのは"寄り添う"姿勢
- 第15話:創造力を守るための時間確保
- 第14話:日本のEnterprise ITに足りないもの
- 第13話:形骸化させない"働き方"改革
- 第12話:志は高く、目線は低く、ユーザー視点で
- 第11話:幸せを呼び込むタスク管理
- 第10話:変化するのは人か、 テクノロジーか、 それとも…?
- 第9話:モビリティの成功の秘訣は「型」にあり
- 第8話:ムダな会議を撲滅、 有意義な時間を創出
- 第7話:教育現場でのiPad機能制限、絶対反対!
- 第6話:モビリティの三段活用
- 第5話:悪いルーティーンを打破するiOS
- 第4話:そのプレゼンは聴く者を動かしているか?
- 第3話:情報共有はInformationからKnowledgeへ
- 第2話:目的の定まった"定着する"モバイルの活用
- 第1話:そのマニュアルは使われているか?
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