現場を変えるMobilityのアイデア

第36話:弘法筆を選ばず。けれども、Macを選ぶ理由

2026.05.15

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福田 弘徳
株式会社Too モビリティ・エバンジェリスト
企業や教育機関向けのApple製品の活用提案や導入・運用構築を手がける株式会社Tooのモビリティ・エバンジェリスト。
www.too.com

あなたは自分の仕事道具にこだわりを持っているだろうか? 一流と呼ばれる職人は最高のパフォーマンスを発揮するために、日々自分の仕事道具を磨き上げている。料理人あれば包丁、美容師であればハサミ、文筆家であれば筆やペンなど、それぞれの職に必要な道具は必ず存在し、一流の仕事人は最高のパフォーマンスを発揮するために、道具選びにも決して手を抜かない。

「弘法筆を選ばず」という諺がある。諸説あるが、弘法大師はどんな筆でも立派に書くことから、その道の達人や名人は、道具や材料のことはとやかく言わず、見事に使いこなすということである。つまり、仕事のパフォーマンスを道具や材料のせいにはしないということ。

とはいえ、自分のスキルや能力に合わない道具では、多くの人の場合、本来のパフォーマンスを発揮することは難しいだろう。だから、仕事を始める前の道具選びはとても大事なのだ。

デジタルデバイスに溢れた我々の日々のビジネスの現場においても同じことが言えるのではないだろうか? 業務に集中できる環境を作るうえでも、仕事に最適なデジタルデバイスを選択できるようにすることは、仕事のパフォーマンスを最大限に発揮するためにも重要な取り組みである。

Apple at Workで紹介されている Employee Choiceプログラム(選択制プログラム)についても同様だ。この数年で、ネット系企業やアプリ開発者を擁する企業でのMacの採用率が高まっている要因も、個人が自分のパフォーマンスを最大限に発揮できるデバイスとしてMacを使い始めていること、そういった社員を競争力強化や多様性の観点から企業が獲得しようとしていることが挙げられる。Macを選択することはただのトレンドではない。プロとして仕事に取り組む人たちが、成果を上げるために最適なデバイスを選んでいる結果だ。選択制プログラムでは、社員は「プロとして」自分に最適な道具は何かを考え、選ぶことが求められる。仕事に使うPC一つにしても、ウィンドウズPCを選ぶのか、Macを選ぶのかは、その人自身がプロとして、自分の仕事の成果を最大限に発揮するため、徹底的に自分が使う道具にこだわるということである。

そして、経営者はそうした一人ひとりのこだわりを受け入れらる環境作りをしなければならない。現存する最高スペックのものを揃えればいいわけではないし、現実問題揃えられるわけではないだろう。今の社員のスキルや環境に合わせて、選択できる環境に徹底的にこだわることで、最高の成果に結びつけることができるのだ。

また、選択制プログラムは、仕事へ取り組むモチベーションの向上にもつながる。企業が選択制プログラムに取り組む目的は社員の満足度を高める仕組み作りでもある。道具選びにこだわる社員が増えれば増えるほど、自分の成果やパフォーマンスにコミットし、より高い目標に向かって取り組む環境や文化を醸成することになる。

社員のすべての希望を反映した選択制を実現することは難しい。一方で画一的なデバイスを支給するだけでは、日々変化する環境や多様な働き方に合わず、生産性の向上や効率化を図ることも容易ではない。

選択肢が増えれば、それだけ自分のこだわりを反映できる可能性が高まるし、モチベーションの向上にもつながるはずだ。ビジネスのプロフェッショナルとして、目の前の仕事で最高の成果を上げるためにも、より高い目標を達成するためにも、自分の仕事道具にこだわりを持つことから始めてみよう。


この記事は、Mac Fan連載「現場を変えるMobilityのアイデア」の転載です(初出:Mac Fan 2016年11月号)。

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