現場を変えるMobilityのアイデア

第17話:知的好奇心を刺激する学び

コラム

2020.08.06

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Mac Fan誌で2015年12月号から2018年12月号まで連載。
仕事や学びを変えていく、明日から使えるヒントがここにあります。

福田 弘徳
株式会社Too モビリティ・エバンジェリスト
企業や教育機関向けのApple製品の活用提案や導入・運用構築を手がける株式会社Tooのモビリティ・エバンジェリスト。
www.too.com

iPhoneが登場して10年が経ち、我々の日常生活は10年前と比べて大きく様変わりした。電車の中では新聞や雑誌、文庫本を手にしている人が多かったが、今ではほとんどの人がスマートフォンの画面に目を向けている。私自身、10年前は二つ折りの携帯電話を所有していた。今では一日の起きている間、肌身離さずiPhoneが手の届くところにあり、すべての情報の入り口になる生活が当たり前になった。

10年前にインターネットで検索ができ、いつでもどこでも音楽や動画を聴くことができ、あらゆる買い物が購入から決済までがモバイル一つで完結する世界を想像できただろうか。これから先もテクノロジーは進化し、我々の日常生活を大きく変化させていくことだろう。

モバイルが中心の日常がデファクトとなったが、決してその存在は「悪」ではない。重要なのは、その画面の中に何を見い出しているかだ。教育現場で重要視されている「21世紀型スキル」などを身につけるにも、テクノロジーに使われるのではなく、いかにテクノロジーを使って自分自身の知的好奇心を開拓するかが問われているのである。デジタルネイティブは、生まれたときからiPadが世の中に存在していた世代だ。彼らがテクノロジーを通して得る学びの体験は、我々大人が受けてきた教育では想像もつかなかった可能性に満ちている。

ある教育関係者と会ったとき、たとえば電卓アプリは、計算を楽に行うためのツールとして有用なだけでなく、子どもたちにとって「なぜそのような計算結果になるのか?」という疑問を持たせることができ、算数や数学により興味を持たせることができる点でも有用だと語っていた。

また、プログラミング教育の普及も騒がれているが、普段子どもたちが遊んでいるゲームにしても、アップルのスウィフト・プレイグラウンズ(Swift Play grounds)に触れるだけで、単にゲームで遊ぶだけでなく、そのゲームをどのように動かしているのかに関心を向けることができる。

このような刺激を受けることで、子どもたちはテクノロジーを使って自分が思い描いていることや創造したいものを作り出す力を身につけていくのだと思っている。iPadはその存在自体が、学ぶ姿勢や知的好奇心を掻き立てる入口になるツールだ。テクノロジーを使った学びというものは、iPadの画面を覗き込んで一日を過ごすことではない。その画面の先にある自分の知りたいことや解決したいことを見つけるための手段だ。

VRのような新たなコンテンツの利用体験が、専用端末を利用したり、ゲームなどの限られた領域で利用されるところから、我々が普段目にしているディスプレイで表現されるようになり、コモディティ化する日もすでに目の前まで来ている。そのような世界に生きる我々は、日々迫り来るテクノロジーの進化にどう向き合うべきなのか。新しいもの、まだ誰も使っていないような未知のものに対し、気軽に挑戦できる土壌が必要だと思う。

企業や教育機関において新たなチャレンジをするには、さまざまなレギュレーションや担当する人の不安を取り除かなければならない。しかし、我々の手の届くところにあるiOSデバイスには、アップストア(AppStore)を通して200万近くのアプリが存在し、無料で気軽に試すことができる。身近になったモバイルを活用する視点が少し変わるだけで、これからやってくる新しいテクノロジーへ対応する術も大きく変化するのではないか。

教育機関での学びの体験、新しいことを知ることの喜びは、大人になってからも必要となるスキルである。iOSは生涯を通じて学びの姿勢を身につけるための入り口となるのである。


この記事は、Mac Fan連載「現場を変えるMobilityのアイデア」の転載です(初出:Mac Fan 2016年11月号)。

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