現場を変えるMobilityのアイデア

第4話:そのプレゼンは聴く者を動かしているか?

コラム

2018.09.13

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Mac Fan誌で2015年12月号から2018年12月号まで連載。
仕事や学びを変えていく、明日から使えるヒントがここにあります。

福田 弘徳
株式会社Too モビリティ・エバンジェリスト
企業や教育機関向けのApple製品の活用提案や導入・運用構築を手がける株式会社Tooのモビリティ・エバンジェリスト。
www.too.com

プレゼンを聴いて、有益な情報を得られた人は多いと思う。しかし、自分自身の次の行動に影響があった人はそう多くはないだろう。

プレゼンの目的は「人を動かすこと」だ。モバイルデバイスの普及に伴い、いつでもどこでも誰でも気軽にプレゼンができる環境が整ってきた。モバイルデバイスを使ったプレゼンでは、コミュニケーションを活性化するというデバイスの特性も含め、目の前にいる人に対して、何らかの行動を促す、意思決定を求める際のプレゼンに有効である。いろいろとレベルがあるが、目の前の相手に合わせて、より細かく内容を設定でき、プレゼンの内容を理解してもらう段階から、納得して動いてもらう段階まで、柔軟に対応できる。

昨年は私自身、働き始めてからもっとも多くのプレゼンを行った1年だった。iPad導入事例から活用方法の提案、アップルデバイスの管理ソフトウェアの紹介まで、導入事例から製品紹介まで幅広く。それまでに行ってきたプレゼンを振り返ってみると、参考になる他の人のプレゼン資料や既存のテンプレートに対して、導入事例や製品説明を埋め込んでお客様の前で話していたことが多かった。また、伝えたい情報を1ページの中に詰め込みすぎて情報量が多くなってしまい、どうしても伝えたい情報が薄れてしまっていた。

プレゼンの回数をこなすうちに、「このプレゼンを通して自分が伝えたいことは何か?」をよく考えるようになった。いくらキレイな資料を作っても、製品説明がうまく話せたとしても、聴いた相手が行動を起こしてくれなければ、何も始まらないことに気づいたからである。プレゼンに必要なもの、それは伝えたい「メッセージ」である。プレゼンを行うときにツールを使うのは最後。ツールに頼らず、伝えたいメッセージを極限まで練り込むことがもっとも大切なのだ。

アップルデバイスの管理ソフトウェアのプレゼンテーションでは、アップルデバイスは管理できないと思い違いをしていた企業や組織の情報システム担当者に対して、製品説明から機能紹介のデモンストレーション、導入効果までを話すことで、アップルデバイスは管理「できる/できない」ではなく、「やるか/やらないか」の議論にし、聞き手である情報システム担当者にアップルデバイスの管理を行うきっかけを作ってきた。

ツールの使い方にもポイントがある。最近ではパワーポイントやキーノートだけではなく、SwayやPreziなどプレゼンツールも豊富になっている。テンプレートも充実しているので、誰でもキレイなスライドが作れるようになったからこそ、伝えるメッセージが重要になる。

私は普段、キーノートを使ってプレゼン資料を作っているが、iOSのキーノートを使うことで、伝えたいメッセージを絞り込む。移動中にプレゼン資料を作る際、iPhoneの限られた画面サイズの中で作業することで、表示したいテキスト情報や写真を絞り込むのだ。そしてアイクラウドでデータを共有し、オフィスに戻ってから修正や編集をMacで行う。これならばチームのメンバーに共有して作業中のデータに対してレビューをもらうことも可能だ。

iOSデバイスはプレゼンをいかに効果的なものにするかをサポートしてくれる。特別なスライドがなくても、保存してある写真を見せるだけで相手にその状況や感じたことを伝えることができるし、手書きアプリを使うことで、紙やホワイトボードがなくてもその場で考えているビジネスや企画を相手に見せることができる。目の前の相手に対して、何らかの伝えたいメッセージをサポートしてくれるのである。

モビリティ・エバンジェリストとしての今年の活動も、目の前の相手の次の行動のきっかけになるようなものにしていきたい。


この記事は、Mac Fan連載「現場を変えるMobilityのアイデア」の転載です(初出:Mac Fan 2016年3月号)。

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