design surf seminar 2020

ブランドをデザインする~注目のD2C(Direct to consumer) の戦いかた ~ dof ハイボールナイト 第2夜

レポート

2021.01.07

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Tooは、特別セミナー「design surf seminar 2020 - デザインの向こう側にあるもの - 」を、2020年11月3日(火)~6(金)にオンラインで開催しました。環境が激変した今年のdesign surf seminarは、より身近でよりいまに近い「ビジネスやクリエイティブ、デザインという仕事のいまを共有し合おう。」をテーマにしました。今年は全国からたくさんの方にご参加いただき、オンラインながら盛況のうちに幕を閉じることができました。当日のセミナーレポートをお届けします。

新型コロナウィルスの影響もあり、今まで以上にEC化、デジタル化が進み、Shopify, BASE, STORESなどのD2Cプラットフォームに注目が集まっています。D2CはDirect to Consumerの略で、ブランドが自ら企画、生産した商品を広告代理店や小売店を挟まず、消費者とダイレクトに取引する販売方法のことです。

インテリアデザイナーからIT企業を経て独立、日本茶のD2Cを展開するLUCY ALTER DESIGN代表の青柳智士氏と、日本初のCBD炭酸飲料&サプリメントをD2Cで販売するLinkship代表の韮澤真人氏から、D2C戦略の話題を中心にdof代表の齋藤太郎氏が話を聞きました。

齋藤さんによるD2Cの解説もありました

D2Cをうまく使って自社ブランドもクライアントの課題解決も

青柳さん率いるLUCY ALTER DESIGNは「体験を作る会社」で、自社ブランドの店舗運営もクライアントワークでデザインのプロデュースも行うという会社です。

D2Cは方法論に過ぎないという青柳さんは、クライアントの企業課題や自社ブランドにD2Cをうまく使って、デザイナーとして何ができるかチャレンジしているとのことです。

自社運営の煎茶専門店「煎茶堂東京」

透明急須(右上/左下)というヒット商品も生んだ

自社ブランドとして三軒茶屋のハンドドリップ日本茶専門店「東京茶寮」と、銀座に姉妹店としてシングルオリジン煎茶専門店「煎茶堂東京」を運営しています。

Instagramの運用もデザイナーの能力として必要な時代

自社ブランドの日本茶事業では認知経路はWebのみ、しかも広告などを使わないオーガニック検索経由だと青柳さんは言います。また、Instagramのフォロワーは2万人もいるそうです。

齋藤さんから、Instagramの運用もデザイナーの能力として必要かと聞かれた青柳さんは、「D2Cをやりたい、ブランドを作りたいのであれば、必要条件な気がします」と答えました。

今後は、ギフト需要をターゲットに国内での認知を上げていくとともに、海外にECで販売していくことを考えているそうです。

店舗からECまですべてをデザインする

デザイン会社が自社で事業をやっているのはあまりない事例だけど、自分たちで意思決定して検証していくことに関しては、いつも企業の課題をデザイン的アプローチで解決しているデザイナーが一番長けていると青柳さんは思っているそうです。

店舗の空間、扱うプロダクト、スタッフのマネジメントからECまで、すべてにデザインが関わるし、どれかひとつだけができても難しいと思うと語る青柳さん。「総合格闘技というか、立ち技と寝技両方できた方がデザインの幅が広がるし、両方できた方がお客さんを満足させる技を繰り出せる」と例えを交えて解説してくれました。

CBDという今までなかった新たなものをD2Cで販売する

韮澤さんがmellowというブランドで開発・販売するドリンクとサプリメントに配合されているCBDは、ストレス、不眠の解消などに効果がある、いま世界で注目される自然由来成分です。安全性も発表されており、依存性も副作用もないということで、アメリカを中心に市場が急成長しています。

mellowブランドのCBD炭酸飲料&サプリメント

カフェインや砂糖を一切使用しないオーガニックなドリンク

CBD市場が日本でも伸びるかどうかは未知数ですが、mellowはCBD商品を売ることに限定せず「たっぷりと休む喜びを届ける」という思いのもとブランドを手掛けています。直接消費者とつながるD2Cでの展開をする上では、ブランドの思いを明確にすることがより重要なのでしょう。

今後はD2B2Cモデルで日本全国へ展開していくことを考えており、手に取りやすいドリンクは卸売りを中心に気軽に手に取ってもらいやすいようにしていく戦略です。そして、サプリメントはD2Cを主軸に全国展開して、ユーザーが毎日利用できる状態にするとのことでした。

ブランドとしてやらないことを決めるのが大事

ブランドをデザインしていく上で重要だと思っていることを聞かれ、韮澤さんは「ブランドとしてやらないことを決めるのが大事」と答えました。

D2Cでは、やろうと思えば無数に可能性があるけれど、広くなんでもやろうとすると綺麗事ばかり言うようになって、ユーザーがついてきてくれないとのことでした。

ユーザーと密にコミュニケーションを取っていく中で、信頼関係を築いて裏切らないことが大事という韮澤さんの経験に基づく考えは、D2Cビジネスを展開する上でのヒントとなることでしょう。

青柳さん、韮澤さんに、それぞれ順番で自分たちの事業や戦略を語ってもらい、そこに齋藤さんが質問や補足を入れていくスタイルで行われたこのセッションは、デザイナーにもD2C事業者にも刺激を与える内容になったと思います。

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