探訪!オートデスク株式会社
古谷知華氏
調香師・フードプロデューサー
1992年生まれ。平日は某企業のビジネスデザイナーとして商品・サービス開発やコンサルに携わり、休日は調香師・フードプロデューサーとしてクラフトコーラ「ともコーラ」やノンアル専門ブランド「のん」などの飲食事業をプロデュースする他、日本初のフードレーベル「ツカノマノフードコート」を主宰。「料理王国」「Ozmagazine」「日本食糧新聞」などで連載コラムの執筆も行う。
佐々木芳幸氏
monopo CEO
在学中にプロミュージシャンとして活動後、2011年monopoを学生起業。東京を拠点にグローバルなコミュニティベースのクリエーティブエージェンシーとして、様々な国内外のブランドにサービスを展開している。2019年、ロンドンに子会社monopo London.Ltdを設立。自社プロジェクト『poweredby.tokyo』では、東京の知られざる魅力を世界に発信中。
川名孝幸氏
株式会社dof コミュニケーションデザイナー
新卒でdofに入社後、dofの多岐に渡る案件のコミュニケーションデザインを担当。AI通訳機「ポケトーク 」やサントリーウイスキーのブランディングに携わりコミュニケーションの川上から川下まで「課題解決」を主眼とした提案を得意とする。近年ではB to B領域でのコミュニケーションデザインも手掛けている。
Tooは、特別セミナー「design surf seminar 2020 - デザインの向こう側にあるもの - 」を、2020年11月3日(火)~6(金)にオンラインで開催しました。環境が激変した今年のdesign surf seminarは、より身近でよりいまに近い「ビジネスやクリエイティブ、デザインという仕事のいまを共有し合おう。」をテーマにしました。今年は全国からたくさんの方にご参加いただき、オンラインながら盛況のうちに幕を閉じることができました。当日のセミナーレポートをお届けします。
若者を中心に人気を博しているクラフトコーラ「ともコーラ」を手掛ける古谷知華氏と、東京発のグローバルエージェンシーを立ち上げ『poweredby.tokyo』で東京のカルチャーを世界中に発信し若者に支持を得ている佐々木芳幸氏。株式会社dofで唯一20代のコミュニケーション・デザイナー川名孝幸氏が「カルチャーデザイン」をテーマに2人から話を聞きました。
プロジェクトはターゲットありきで始まったのか?
クリエイティブの仕事では「ターゲットは誰か」とよく言われるけれど、2人のプロジェクトはどうだったのかと川名氏が問いかけます。
平日は企業のビジネスデザイナーとして働きながら、休日には「食のおもしろプロデューサー」として活動する古谷氏は、クライアントのある仕事とは違い個人発信のプロジェクトではターゲットを考えていないそうです。
ちょっとした不満や義憤から始まり、自分が強く思っていることでないと続かないし、それを突き詰めていくことが市場を作っていくと語りました。
佐々木氏は、クライアントワークではターゲットを定めて最適なソリューションを提供するけど、自社プロジェクト『poweredby.tokyo』では全く逆だと言います。
東京の魅力を海外の人の目線で英語ネイティブで世界に発信する『poweredby.tokyo』は、東京が好きで東京に住みたいとやって来たグローバルな人たちが、実力はあるのに存在が認知されていないなどの「pain」を、コミュニティで解決していくという発想から生まれたものだったそうです。
二人の共通点は二足のわらじ
受託の仕事をやりつつ自分発信のプロジェクトでも攻めているという「二足のわらじ」が二人の共通点で、二つの武器を持っているのが面白く、うらやましくもあると川名氏は言います。
会社を辞めないのかよく聞かれるという古谷氏ですが、バランスが取れているので辞めるつもりはないそうです。個人のプロジェクトでは義憤や自分のフラストレーションをどう解決するかに行き過ぎて視野が狭くなっているので、会社で行うコンサルの仕事などでバランスが取れているそうです。
佐々木氏は受託仕事と自社プロジェクトは「両方がガソリンになっている」と表現します。好きなことだけをやっていたら面白くなくなってくるし、ミュージシャンをやっていたときに自分のアート活動とスタジオミュージシャンとの両方をやったことが、お互いのプラスになったことと似ているとのことでした。
旗を立てると人が寄ってきてくれる
クラフトコーラのブランド「ともコーラ」を立ち上げ、20代で「旗を立てた」古谷氏。旗を立てることで自分で何かをやる人なんだと印象づけることができ、旗を持った別の人が寄ってきてくれて、いろんな話が舞い込むようになったそうです。
「ともコーラ」はゲーム「塊魂」の最初の玉と同じで、ころころ転がって自分が想像もしてなかった大きなものができたり、違う方向に進んでいったりすることが自分でやることの面白さという例えは、とてもわかりやすく刺激を受けるものでした。
ローカルにしかグローバルがないと思っている
固定概念がゆらいだ2020年を経て、今後どうしたいかといった話になり、佐々木氏は「ローカルにしかグローバルがないと思っている」と話し始めました。
佐々木氏の会社monopoには、東京が好きだと集まってきたグローバルなメンバーでとても良いコミュニティができて、とても居心地が良いそうです。そして、この会社こそがローカルでありグローバルだと気づき、同じものを世界のいろんな都市に作っていきたいと考えるようになりました。
古谷氏の「ともコーラ」も、全国の素材を作った各地のご当地クラフトコーラ作りというローカルな展開を見せており、高知での成功事例も生んでいます。これはUターンした人や現地のやる気のある若者が主体で事業化を行い、レシピ開発やブランド作りの手伝いを古谷氏がやっているという関わり方も面白いです。
今はグローバリズムからローカルに戻ってきているタイミングで、発信するためのテクノロジーも発展しているので、今後はとがったローカルのモノがグローバルに発信されていくと古谷氏は考えています。
デザインとは社会のとのつながりを作るための手段
design surf seminarの視聴者が特に興味を持ちそうな、良いデザイナーの条件や、デザインとは何かというテーマでの話も興味深いものでした。
佐々木氏の良いデザイナーの定義は、「自分の視野を言語化する能力が高い人」です。どういう視点で、なぜ、どのように作ったのかの話がちゃんとできて、良いものが作れる人が素敵だし説得力があるとのことです。クライアントや一緒に働くディレクターや営業と、コミュニケーションを取ってチームになれないといけないというアドバイスもありました。
古谷氏は、デザインとは社会に対して何かをアウトプットしたり、社会のとのつながりを作るための手段という明確な定義を持っています。演説もデザインだしグラフィックもデザインだし、社会と自分の間の関係性を作っていくのがデザインということです。
初対面という古谷氏と佐々木氏でしたが、お互い似ている部分があるとすっかり意気投合していました。間を取り持つ川名氏のスムーズな進行も見事で、和気あいあいとした雰囲気で行われた鼎談でした。
design surf seminar 2020 記事一覧
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- 全裸監督プロデューサーが明かす、世間を動かす『物語のデザイン』 ~ dof ハイボールナイト 第3夜
- 若者を動かす『カルチャーデザイン』 ~ dof ハイボールナイト 第1夜 その2
- コミュニケーションからデザインする技術~文化と価値の創りかた ~ dof ハイボールナイト 第1夜 その1
- クリエイターの「ワクワク」は止まらない
- エンドユーザーとの対話から生まれる空間デザイン~過去・現在・未来~
- 自分の力に気づく。インクルーシブデザインで見つける、新しい視点
- コロナが加速させたバーチャルビジネスの新潮流
- 現場力を最大化させるクラウドシフトって?
- Adobe MAXから読み解くクリエイティブ環境のこれから
- 書体について、今起きていることと目指したいこと
- “変化” の時代のキャリアを考える 〜なぜ “デザイナー” なのか
- パーソナル×ソーシャル ひとりの小さな表現が社会にもたらすもの
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