design surf seminar 2020

コミュニケーションからデザインする技術~文化と価値の創りかた ~ dof ハイボールナイト 第1夜 その1

レポート

2021.01.05

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齋藤太郎

株式会社dof 代表
株式会社CC 共同代表
株式会社ZOZO、株式会社CARTA、HOLDINGS、フォースタートアップス株式会社 社外取締役

工藤拓真

株式会社dof ブランディング・ディレクター
株式会社BRANDFARM 代表

川名孝幸

株式会社dof コミュニケーションデザイナー

Tooは、特別セミナー「design surf seminar 2020 - デザインの向こう側にあるもの - 」を、2020年11月3日(火)~6(金)にオンラインで開催しました。環境が激変した今年のdesign surf seminarは、より身近でよりいまに近い「ビジネスやクリエイティブ、デザインという仕事のいまを共有し合おう。」をテーマにしました。今年は全国からたくさんの方にご参加いただき、オンラインながら盛況のうちに幕を閉じることができました。当日のセミナーレポートをお届けします。

株式会社dof代表でコミュニケーション・デザイナーの齋藤太郎氏、新卒でdofに入社し多岐にわたる案件のコミュニケーションデザインを担当した川名孝幸氏、この秋に電通から移籍しdofに加わったブランド・ディレクター工藤拓真氏の3人によるハイボール片手のトークを、360°カメラMeeting OWLを使ってお届けしました。

dofが領域として掲げる「コミュニケーション・デザイン」について、3人それぞれの言葉で熱く語った第1夜でした。

dofが携わる文化と価値の創造の事例

dofは新しい文化と価値を創造する会社で、単なる広告の領域だけではなく、新規ビジネスを作っていくことや、企業文化をデザインするところまで仕事の幅を広げています。

dofは新しい文化と価値を創造する会社です

今まで世の中になかった製品「ポケトーク 」のコミュニケーションデザインを手掛けて新しい価値や文化を創ったり、2008年の立ち上げ時から関わるサントリー「角ハイボール」のキャンペーンで既存の商品に新しい価値を創ったりした、dofの携わった事例を紹介しました。

コミュニケーションデザインとは何か

dofに加わったばかりで外の人の目線も持っているという工藤氏が司会役となり、コミュニケーションデザインとは何なのかについて話をしました。

360°カメラMeeting OWLで自動でカメラワークされます

コミュニケーションデザインとは、ひとことで言うと人の気持ちをデザインすることだと齋藤氏は話します。ネット、スマホ、SNSなどユーザーの情報量が増えた中で、どう仕掛け作りをしていくかがポイントとなった中で生まれた言葉のようです。

ポケトークの案件におけるコミュニケーションデザインの事例として、「クライアントさんと伴走する」「売り場が重要」「一気通貫で考える」といった実践的な話をたくさん聞くことができ、ヒントになった人も多いと思います。

店舗やネットなどでの商品の見え方と広告とが分離しないよう一気通貫で考え、情報量が多く誰も広告に興味がない時代に、少しだけでも商品に興味をもってもらう、覚えてもらうことを意識しているそうです。

仕組みごと変えられるのがコミュニケーションデザインの醍醐味

工藤氏が携わるNewsPicksの話では、「経済情報で世界を変えていく」というミッションをベースにしながら、アウトプットの形がニュース記事だけじゃなく動画に発展した話が刺激的でした。

どういう思いがあるのかがぶれてなければ、アウトプットが自由になれるし、お金の使い方も含めてどう変えていくのかをクライアントと考えていけることが重要とのことです。

それを受けて川名氏は、仕組みごと変えられるのがコミュニケーションデザインの醍醐味であり、それができる人が増えるともっと日本が面白くなるんじゃないかと発言しました。

コミュニケーションデザインに向いてる人とは

コミュニケーションデザインに向いてる人の話題となり、好奇心があること・ミーハーなこと・向上心の3点を齋藤氏は挙げました。川名氏は、それにプラスしてビジネスとして結果を出すことに喜びを感じられることだと言い、自分の携わったものが「売れることが一番嬉しい」と語りました。

工藤氏は「受け手から作り手に変わる」意識が大事と発言しました。CMを見たり映画を観たりしたときも、作り手発想で妄想するのが好きなのだそうです。

ビジネスの数字と文化を作ることはぶつかり合わないのか

ビジネスの数字を求めることと、文化を作るというdofの考え方とが、ぶつかり合ってしまうことはないのかという工藤氏から出た問いにも、3人それぞれの言葉で答えました。

川名氏は、定量的なものと定性的なものがあり、必ずしも数字で測れないものもあるので、クライアントと目線合わせをしておくのが大事と話しました。

齋藤氏は、最終的に社会に出て行く物を自分たちが作っている責任があるので、品格や品位をちゃんと維持することが試されていると語ります。その仕事は文化や価値を作っているのかと常に問いかけ続け、文化を作っているという矜持を意識し続けているそうです。

工藤氏からは「覚悟を持ってデザインに投資しないと持続可能な取り組みにならない」「2年後に1番勝てる戦略は何かを考えている」という話がありました。

オンライン化の時代にコントロールできない時間を自ら作る

コロナ禍での環境の変化を受けてオンライン化をどう見ているかなど、最後まで飽きさせない興味深い話が続きました。

オンライン化のいいところは時間のコントロールがしやすいことですが、コントロールできない状況で新しいアイデアが生まれることも多く「これからはコントロールできない時間を自ら作りに行かないといけない時代」という川名氏の言葉で締めくくられました。

三者三様ながらお互いを補完し合う発言の数々で、コミュニケーションデザインの考え方に深く触れられたセッションでした。

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