design surf seminar 2021

Adobe MAXから読み解くクリエイティブ環境のこれから 2021

レポート

2021.12.16

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岩本 崇

アドビ株式会社
フィールドプロダクトマネージャー

前田 勝規

株式会社Too
ICTサービス部 トレーニング課
Too Training Center Desi(デジ)講師

Tooは、特別セミナー「design surf seminar 2021 - デザインの向こう側にあるもの - 」を、2021年11月2日(火)・4(木)・5(金)の3日間オンラインで開催しました。今年のdesign surf seminarは、よりリアリティのある形で、次の時代への取り組みをテーマにしたセミナーが集まりました。全国からたくさんの方にご参加いただき、オンラインながら盛況のうちに幕を閉じることができました。当日のセミナーレポートをお届けします。

design surf seminarの直前に開催されたAdobe MAXから最新情報を紹介する、昨年人気だったセッションを今年もお届けします。アドビ株式会社の岩本崇氏をお迎えし、TooのDTP・Webデザインスクール「Desi(デジ)」講師の前田とともに、Adobe MAX 2021の重要ポイントをデモを交えて解説しました。

今年も登壇いただいたアドビ株式会社の岩本崇さん

「いやー前田さん、1年ぶり?」「(最後に)顔を合わせたのはもっと前です」といったやりとりで始まったこのセッション。昨年のセッションはアドビの岩本さんがリモートでの出演でしたが、今回は二人で席を並べての(間にアクリル板はありますが)息の合った掛け合いからスタートしました。

写真の中の物体を自動認識して選択するPhotoshopの新機能

最初はやはりPhotoshopの新機能の紹介から。岩本さんのイチ押しはオブジェクト選択ツールの進化。追加された機能「オブジェクトファインダー」を選ぶと、イメージの中から独立したオブジェクトを抽出してくれます。

オブジェクトファインダーでオブジェクトを自動認識

石鹸がたくさん並んだ写真にカーソルを合わせると、一つ一つの石鹸を自動で認識していて前田からは驚きの声が。画像内の任意の物体だけを選択して、補正する作業が楽になりそうです。

そして、「これだけじゃないんです」と岩本さんが見せてくれたのが、「すべてのオブジェクトをマスク」機能。メニューを選ぶだけで、写真の中の全てのオブジェクトが自動的にレイヤー分けしてマスクが付けられた状態になり、あまりの簡単&便利さに笑うしかない前田でした。

「廃墟」というキーワードでバズったニューラルフィルター

オブジェクトファインダーはかなりインパクトのある新機能ですが、MAX 2021開催中にネットではニューラルフィルターの「風景ミキサー」が大きな話題となりました。

ニューラルフィルターは昨年のアップデートで追加された機能で、Adobe SenseiによるAI技術を使ったフィルターのシリーズです。

現在ベータ版として提供される「風景ミキサー」

今回は風景ミキサーを使い、山の写真をグランドキャニオンのような赤土色に変えたり、雪山に変えるといったデモンストレーションをしました。風景ミキサーは風景写真の持つイメージを別の写真に適用できる機能で、風景写真の時刻や季節を変えることなどを想定しています。

風景ミキサーで自動処理した山の写真

この機能を使い、都市の写真に草木を生やした写真が「廃墟」というキーワードとともにTwitterでトレンド入りするなど話題となりました。そのことに対し「我々の想像を超えた使われ方」「突き抜けた方が話題になる」と感心する岩本さんでした。

3D機能が強化されたIllustrator

PhotoshopとIllustrator間でレイヤーを保持したコピー&ペーストができるようになった機能もユーザーから好評といった話題でPhotoshopの紹介は終了し、続いてIllustratorの新機能の話に。簡単にクオリティの高い3Dのオブジェクトを作れるようになった「3Dとマテリアル」を解説しました。

Illustratorの「3Dとマテリアル」機能で作った立体文字

文字を押し出して立体化したあと回転やマテリアル(テクスチャ)の追加をしたのですが、まず気づくのが処理速度の速さ。「MAXでデモしたときより、さらに処理速度が速くなった」と言う岩本さんに前田もうなづいていました。

Adobeは3D制作向けの製品ツール群をSubstanceブランドで提供していますが、そのSubstanceのマテリアルがIllustratorの3D機能で使えるようになっています。マテリアルを設定したあと、ライティングを設定して影を調整し、レイトレーシングでレンダリングするまでがあっという間に行われました。

「山路を登りながら」が標準でオフなのは日本だけ

Illustratorで新規テキストオブジェクトを作るときに「山路を登りながら」という文字列がサンプルとして自動入力される機能ですが、今回のバージョンからデフォルトではオフになったそうです。しかもこれは日本だけの仕様で、ユーザーのお困りの声を反映させるため日本のアドビのメンバーが頑張って交渉した結果だといった裏話を披露しました。

ほかに、初心者向けの機能として、各機能をアニメーションでわかりやすく紹介する「ツールヒント」や、いろいろな機能を学ベる「もっと知る」パネルを紹介してIllustratorの話は終了。Illustrator、Photoshopなどのアップデートした機能の紹介は、Adobe Blogにまとめているのでぜひ見て欲しいとのことでした。

Webブラウザ上でもPhotoshopが使えるように

さらに、今回の目玉の一つがPhotoshop web版です。ついにWebブラウザ上でPhotoshopが使えるようになりました。現在ベータ版が提供されていて、ChromeかEdgeで利用できます。

Adobe CCユーザーは誰でも試用できるPhotoshop web版ベータ

Adobe Creative Cloud Webにクラウドドキュメントとして保存されているPSDファイルをPhotoshop on the webで開き、編集する様子を紹介しました。デスクトップ版ほどの機能はありませんが、ブラウザ上でPhotoshopが動いていることに新鮮な驚きがあります。

開発中のAdobe製オンラインホワイトボードはリアルタイムでコラボレーションが可能

Adobe Creative Cloud上で使えるオンラインホワイトボードのような「カンバス」という開発中のツールも紹介され、ブラウザ上でサクサク動いていました。アドリブで遠隔地のアドビの人がデモに参加してくれたことで、リアルタイムにリモートでコラボレーションできる雰囲気を味わうことができました。

今回も盛りだくさんの内容で充実の1時間

ほかにも、iPad版Photoshopの話題や、アドビから3年ぶりとなる新フォント「ヒグミン」の開発エピソード、アニメ「鬼滅の刃」に使われた昭和書体など日本語フォントが新たに多数追加されたAdobe Fontsの紹介など、今回も盛りだくさんの内容でした。

オンラインでの視聴者からの質問にも答えつつ、あっという間の1時間。「来年は2時間でというコメントも来ています」「オンラインだと1時間くらいが丁度いいのでは」といったやりとりもありました。

Adobe Creative Cloud Webの新ツールといったオンラインにも力を入れているAdobeの新技術に、クリエイティブ環境の変化を感じられるセッションでした。

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