design surf seminar 2022

NFTが変えるデジタルコンテンツの未来 〜 NFTビジネスの現場からNFTのリアルを語る 〜

レポート

2022.11.25

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手塚 康夫

株式会社Too Digital Marketplace
代表取締役社長

加藤 美月

株式会社Too
DX推進部

Tooは、特別セミナー「design surf seminar 2022 - デザインの向こう側にあるもの - 」を、2022年11月1日(火)・2(水)・4(金)の3日間オンラインで開催しました。今年のdesign surf seminarは、デザインビジネスやクリエイティブの原動力になりそうなセミナーが集まりました。全国からたくさんの方にご参加いただき、オンラインながら盛況のうちに幕を閉じることができました。当日のセミナーレポートをお届けします。

デザイナーやクリエイターの新たな活躍の場として期待されるNFTについて、ビジネスとしての側面と個人クリエイターたちのムーブメントとの両面から考えるセッションです。
TooグループでNFTの事業を推進するToo Digital Marketplaceの手塚康夫と、NFTクリエイターとして個人で活動するTooの加藤美月が、NFTビジネスの現場からNFTのリアルを語りました。

デジタルデータに唯一無二の価値を与えるNFT

まずは手塚が、そもそもNFTとは何なのか、システム的にどういう構造なのかを解説しました。NFTの登場により、デジタルデータに唯一無二の価値を与えられるようになりました。デジタルデータの本物証明ができることにより、経済的価値を持つデジタル資産としてNFTを扱えるのです。

NFTが価値を持つ資産であることを知らしめた75億円のNFTアート

NFTが価値を持つ資産であることを世の中に知らしめた事例は、アーティストのBeepleが数年間かけて毎日描いたスケッチを集めた作品が、250年以上の歴史を誇るオークションハウスChriste'sで約75億円で落札されたことです。ほかにも、高額で取引されたNFTアートや日本発のNFTアートの例、ゲーム、音楽などアート以外の分野での活用例など、過去に話題となった事例を数多く取り上げました。

坂本龍一が販売した音楽のNFTは、直筆楽譜を入手できるオークションの参加権ともなっており、NFTを持っている人だけが特別な体験や価値を享受できる仕組みの好例となっています。また、新潟県長岡市山古志(旧山古志村)が、電子住民票を兼ねたデジタルアートとして錦鯉をシンボルにしたNFTを販売した例は、自治体による新たな取り組みとして興味深い事例です。村の今後の施策を決めるときに、NFT購入者のデジタル村民も参加できるようになっています。

Too Digital Marketplaceが手がけた事例として、タツノコプロ公式のドロンジョの3DデータのNFTと、特別塗装版フィギュアとのセット作品を販売するプロジェクトを紹介しました。また、Tooが主催する「COPIC AWARD 2022」において、コンテスト受賞者の作品をNFT化するプロジェクトも進行しています。

NFT所有者に商業的利用権を与えるプロジェクトも

NFTビジネスを考える上で、どうやってNFTの魅力や価値を上げるのかも気になるところです。そのためのヒントとして、海外の有名NFTプロジェクトBAYCの事例が参考になります。

NFTアートを入手しても、絵画などのアートを所有するのと同じで、その作品の著作権や商標権などの知的財産権を取得するわけではありません。しかし、BAYCのように商業的利用権を与えているプロジェクトもあるそうです。NFTの所有者がオリジナル商品を作ったり二次創作をしたりとさまざまな利用が行われています。

さらに、Serum(血清)と呼ばれる別のNFTでBAYCのNFTをミュータント化するなどの派生プロジェクトも盛んで、コインを発行したり、メタバースを展開したりと広がりを見せていることが紹介されました。

NFTクリエイター同士のコミュニティが居心地がいい

ここまで紹介してきた事例はビジネス色の強いものでしたが、個人NFTクリエイターの活動も日本で活発になっています。個人NFTクリエイターのひとりであるTooの加藤が、盛り上がりを見せる個人クリエイター界隈の実情を紹介しました。

NFTアートの世界に飛び込んだことで、作品を作るクリエイターであるとともに、購入するコンシューマー側にもなったという加藤は、「クリエイター/自分の作品を売り込むマーケター/ほかのクリエイターの作品を買うコンシューマー・消費者/コレクター」と、いろんな自分にスムーズに変身している感覚を持つようになったそうです。

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NFTマーケットプレイスのOpenSeaで販売している加藤が手掛けるNFTアート

そして、TwitterやDiscordなどでの交流からクリエイター同士のコミュニティが自然にできていき、気の合うクリエイターと一緒に展示会を開催したりコラボ作品を作るなど、ネットとリアルを行き来しながら関係性を深めています。「居心地がいい」このコミュニティは、「ネット空間から始まったからこそ時間や場所の制限を受けずにどんどん広がり、現実のリアルの世界にまで共鳴している」という言葉も印象的でした。

冬の時代の今こそチャンスが多い

NFT/暗号資産市場は現在「冬の時代」と呼ばれています。それでも「そこまで心配する必要はないんじゃないか」と手塚は言います。数年前に比べればマーケットが大きくなっており、ショートスパンでは落ち込んでいるけれど、ロングスパンで見れば成長しているからです。

儲けを第一に考える投機目的の人が離れているので、今が良いタイミングとも言えるかもしれません。純粋に作品や特典に価値を感じて購入する人、本気でNFTに取り組む人が残っているようで、「今取り組むのが重要」だと強調していました。

日本は国としても積極的にNFTを推進しようとしており、NFTの戦略策定や法整備の検討が行われ、具体的なアクションも始まっていきます。NFTが抱える様々な課題も、今後解決していくはずです。Too Digital MarketplaceはNFTに関する会計や法律の論点整理などにも実務で携わっていますが、解決する目処が立っていたり、すでに解決できていることも多いそうです。

最後に手塚は、これまでは資産価値を重視してNFTを購入する人が多かったのに対し、今後は「欲しいから買う、ファンだから買う」未来になっていくと話しました。資産価値から実用的価値重視に変わってきている冬の時代の今、NFTを始めるデザイナーやクリエイターにはチャンスが多いのではないかと感じました。


Too Digital Marketplace
ドロンジョ3DデータNFTプロジェクト

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