design surf seminar 2022

クリエイターのワクワクは止まらない2022 〜最新技術で未来をクリエイティブ!

レポート

2022.11.21

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樋口 牧子

株式会社スタヂオ・ユニ
クリエイティブディレクター

2000年、スタヂオ・ユニへグラフィックデザイナーとして入社。現在はプロモーションの企画や制作をはじめ、VMDなどのトータルディレクションを手がける。「デザイナーはエンターテイナー。どんな時代でも“わくわく”を生みつづけたい。」

佐藤 翔吾

株式会社博報堂プロダクツ
企画制作事業本部 アートディレクター

2014年、多摩美術大学卒業。同年、株式会社博報堂プロダクツ入社。デザインやパフォーマンスなど様々な方法で「人のココロを躍らせる」ダンシングアートディレクター。身も心もソソイヤ!ソイヤッ!

吉田 寛則

三井化学株式会社
新事業開発センター マーケティング&イノベーション推進室 新製品開発プロジェクトリーダー

※吉田寛則氏の「吉」は正しくは旧漢字です。

Tooは、特別セミナー「design surf seminar 2022 - デザインの向こう側にあるもの - 」を、2022年11月1日(火)・2(水)・4(金)の3日間オンラインで開催しました。今年のdesign surf seminarは、デザインビジネスやクリエイティブの原動力になりそうなセミナーが集まりました。全国からたくさんの方にご参加いただき、オンラインながら盛況のうちに幕を閉じることができました。当日のセミナーレポートをお届けします。

3年連続参加となる、公益社団法人日本広告制作協会(OAC)所属のクリエイターが登壇するこのセッション。今年のテーマは、最新技術を活用しながら、どうすれば人々が笑顔になれる仕組みを届けられるのかについてです。

株式会社スタヂオ・ユニ 樋口牧子氏と、株式会社博報堂プロダクツ 佐藤翔吾氏は3年続けてのご登壇です。そして今年は三井化学株式会社でソリューション開発に携わる吉田氏を迎えて、科学技術とクリエイティブの可能性を、クリエイターと開発者の異なる視点から楽しくディスカッションしました。樋口氏と吉田氏は、このセッションで登場する空中ディスプレイのデザイナー、開発者という立場で一緒に仕事をしたこともあるそうです。

1.感じるチカラ 何かを生み出すキッカケとは?
2.最新技術と未来 メタバース・センサーグローブ・非接触/空中ディスプレイ
3.最新技術とクリエイター 開発者側はクリエイターに何を求める?
の3つのトピックに沿って、樋口氏のファシリテートで進行しました。

開発者とクリエイター、アイデアはどこから生まれるのか

まずは、「感じるチカラ 何かを生み出すキッカケとは?」について。クリエイターや開発者のアイデアは、どこから生まれるのでしょうか。そして両者に違いや共通点はあるのでしょうか。

吉田氏は、自身の開発のテーマを「世の中の人たちが安心・安全で快適な暮らしを実現すること」と掲げていると話します。常日ごろからいろいろなことに興味をもってアンテナを張ることを習慣にしているそうです。特に開発中は、中に篭ることが多くなりがちだそうですが、そんなときこそ外に出ることを心がけていると言います。また、吉田氏が開発者を目指したきっかけは、「イラスト」だと続けます。小学生の時に、科学雑誌に描かれた未来都市のイラストにワクワクしたことが、今でも開発の原動力になっているとのこと。

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小さい頃から絵を描くことが好きだったことが、今のクリエイターとしての活動につながっていると話す佐藤氏。「好き」という純粋な気持ちが、さまざまな困難を乗り越える支えになっているそうです。アイデアを生み出す時にトライアンドエラーは欠かせませんが、「好き」から生まれる好奇心が原動力になると話します。

それを受けて吉田氏は、自身が幼い頃に科学技術に対してワクワクする気持ちを抱けたのは、技術に関する複雑な情報をイラストでわかりやすく伝えるクリエイティブの力があったからだと話します。そうした考えから、クリエイターである樋口氏と一緒に仕事をする機会も生まれたそうです。

心躍る最新技術の活用

さて、最新技術とクリエイティブは現状どのように関わっているのでしょうか。3つの具体例をお話しいただきながら、未来のクリエイティブについて考えていきました。

1つ目は、メタバース空間を活用したイベント開催の依頼が増えているという佐藤氏の話です。依頼を受ける中で、メタバース空間のデザイン以上に、その前段階が大切だということに気づいたと話します。メタバースの機器のセットアップは煩雑なため、イベント本来の楽しさを感じる前に挫折してしまう人も多いそうです。メタバースへの入り口部分を、いかに分かりやすく、楽しく演出するかに注力したと話します。

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続いて、触覚をバーチャルで再現できるセンサーグローブのSenseGloveについて。セッション直前に実際に体験した感想を話しながら、今後の可能性についてディスカッションしてもらいました。重たいものを持った感触や、ガラスを割ってしまった時の衝撃なども忠実に再現されることから、製造業や医療などで必要なトレーニングに活用できそうだと話す吉田氏。佐藤氏も、視覚だけでなく触覚が加わることで、クリエイターの表現できる幅が広がりそうだと話します。

3つ目は、三井化学様が開発に携わり、キャラクターデザインやアプリ開発などを樋口氏が手がけた空中ディスプレイについてです。横からだと何も映っていないように見えますが、ディスプレイの正面に立つとキャラクターが浮かび上がり、指でタップすると笑ったり飛んだり目を回したり、さまざまに反応してくれます。

wakuwaku_display2.jpgディスプレイを横から見た様子(左)と、正面から見た様子(右)

現段階では、空中ディスプレイの技術を体験しながら知ってもらうことが主な役割ですが、今後何に応用できるかは、ユーザーはもちろん、物流や医療、自治体などをはじめとしたさまざまな業界からアドバイスをもらい、マーケティングを進めている段階だそうです。最近は、セルフレジに試験的に空中ディスプレイを導入しているコンビニもあるとのことです。

樋口氏は、空中ディスプレイの役割や、生活にどのように役立つ可能性があるのかを視覚的に伝えたいというオーダーを三井化学様から受けたと話します。プロジェクトのディレクションを進める中で、エンターテイメントの要素を組み合わせることで、開発者が思いもしなかった面白い活用方法を考えていくこともクリエーターの役割だと気づいたそうです。

最新技術とクリエイティブの掛け算で膨らむ製品の魅力

最後は、開発者がクリエイターに求めることについて。そして、最新技術を使ってクリエイターは何ができるのかです。

三井化学様には、感性からカガクを考えるラボラトリーMOLpという部活動があります。クリエイターなども含めさまざまな業界とコラボレーションしながら、技術をより面白く発展させる活動をしています。クリエイターと一緒に物事を進めるメリットはどこにあるのか問いかけられました。

吉田氏は、クリエイティブな力を組み合わせることによって、製品の魅力は、2倍にも3倍にも膨らむと話します。一昔前までは、冷蔵庫やテレビなど、開発アイテムはある程度の機能が決まっていましたが、これからは機能を複合化させた、非常に難しい技術が求められていくとのこと。そうした複雑な情報を分かりやすく伝えるためには、クリエイターの力が必須だと言います。

佐藤氏は、テクノロジーが進化していく中で、クリエイターにとっても表現の幅が広がっていくと話します。複雑な技術的知識が多くの人に開かれた情報になっていくとき、人を惹きつける感情部分に訴えかける分野は、クリエイターが力を発揮できそうで楽しみだと語ります。

2人の話を受けて樋口氏は、分かりやすく伝えることがクリエイターの役目の一つかもしれないと話します。開発者が担当する技術そのものの魅力と、クリエイターが担当する技術を取り巻く見た目の格好良さ、技術とクリエイティブの掛け算で、製品の魅力を最大限に引き出せると、セッション全体を振り返りました。

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ディスカッションの後には、視聴者の皆さまから寄せられたたくさんの質問にお答えいただきました。また、最後には佐藤氏が声を当てた紙人形のToo・ザ・ピーポー君が登場!OAC様企画のセッションらしい楽しい演出も加わり、これからの技術とクリエイティブについて、ワクワクが止まらない時間になりました。

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公益社団法人日本広告制作協会(OAC)
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株式会社博報堂プロダクツ
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SenseGlove
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MOLp

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