design surf seminar 2018

働き方を探す旅 ― 変わるデザインという仕事、生まれる新しいライフスタイル

レポート

2018.10.29

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筒井美希

株式会社コンセント

横山詩歩

株式会社コンセント

渡邊徹

株式会社コンセント

Tooは、特別セミナー「design surf seminar 2018 - デザインの向こう側にあるもの - 」を、2018年10月12日(金)に虎ノ門ヒルズフォーラムで開催しました。
3回目となる今回も、デザインをビジネスの側面から捉えた8本のセミナーを行い、たくさんの方に来場いただき盛況のうちに幕を閉じることができました。

柔軟な働き方のデザイン会社コンセントから3名が登壇

自由な働き方に注目が集まるいまの時代。デザイン会社の株式会社コンセントでは、さまざまなメンバーが独自のライフスタイルを実現しています。コンセントから筒井さん、渡邊さん、横山さんのお三方が登壇しました。

筒井さん、渡邊さん、横山さんのお三方が登壇

セミナー前半では、それぞれのキャリアとあわせて、お三方がどんな働き方をつくってきたのかが紹介されました。満席で立ち見でご覧になる方も多かった本セッション。クリエイティブ業界での「働き方」に対する関心の高さが伺えました。

お試し移住、週3勤務に多拠点生活、日々リモートワーク活用など三者三様の働き方

元々エディトリアルデザインを担当していた渡邊さんは、現在では活動の9割がVR。実写のVR映像家「渡邊課」を社内ラボ的に立ち上げ、これまでのべ100本以上の映像を制作してきました。周囲の人たちを巻きこみながら、会社との交渉を重ねてオフィシャルな活動に。現在は「社内起業家(イントレプレナー)」という役割を担っているそうです。

「渡邊課」としての活動が増えているそうです

「基本はワーカホリック」と自称する渡邊さんですが、子どもと一緒にいたいとの思いから働き方を変えました。デザインや制作の部分を人に託すことで時間をつくれるようになり、7月には1ヶ月奄美大島へのお試し移住にも挑戦しました。撮影で外出することも多く、「リモートですべてを確認できるように構築すること」「社内にいないとメンバーに周知すること」が大切とのこと。社外で仕事をするために、24時間コミュニケーションチャンネルを開いているそうです。

続いて、入社6年目の横山さん。紙のデザイナーとして入社後、現在ではコーポレートサイトや空港のサイネージのリサーチ、メディアサイトの立ち上げなどに幅広く携わっています。

横山さんは結婚を機に、週5日勤務から週3日勤務に切り替え、意識的に家族との時間をつくりました。週3日勤務にしたことでサイドワークも実現。長野県小布施町でコミュニティマネージャーとして複業をしており、本業とは違った仕事をすることで活動に広がりが持てたと話されていました。

会社員としての安定があるからこそ社外の活動に自由度を持てたとのこと

また「移動がだいすき」という横山さんは、東京と逗子に拠点を持ちつつ、小布施、シンガポールを移動する多拠点生活をしています。海外カンファレンスにも積極的に参加し、2017年は業務内外で年間25箇所に滞在しました。背中を押してくれた会社に感謝しているそうです。現在は週4日勤務に戻し、「そのときどきの優先順位にあわせて働き方を選択していきたい」と話されました。

筒井さんは入社当時は雑誌編集部に常駐、その後は広報誌やウェブサイトの仕事に携わり、著書「なるほどデザイン」の制作をきっかけにワークショップ、セミナーの依頼を受けることが増えました。さらに「自分が手を動かすスキル以外を伸ばすことが、巡り巡っていいデザインに必要である」との信念から、動画の企画・制作、商品開発、社内研修やイベントの企画など、多様な活動をしてきたとのこと。一方で、会社からは業務量を調整するように言われていたものの、仕事が好きすぎたために朝から晩まで働くという生活をしていたそうです。

「物理的に会社から遠ざけた」ことが働き方を変えるきっかけに

これを打開するべく、通勤徒歩15分の家から1時間15分かかる土地へ引っ越し。その結果、リモートワークやテレカン(電話会議)を活用することで、業務効率や生活満足度を向上できることを実感しました。また空いた時間では自主制作の作品をつくったり、社内サークルの活動をしたりと、やりたいことに精力的に取り組むことができて、活動量が増えてもポジティブな状態だと話されていました。

歴史の長い会社で、なぜ先進的な取り組みが?

コンセントでは、育休産休復帰率100%で出産を理由に退職する人がおらず、短時間・短日勤務OK、リモートワーク・複業も試験運用中です。お三方以外にも多くの方が自分に合った働き方を実践しています。

コンセントは近年創業したベンチャー企業ではありません。創業47年の200人規模の老舗デザイン会社で、なぜ柔軟な働き方ができるようになったのか? セミナー後半では、1971年創業からの歩みを紐解いていただきました。

事業領域に触れながら創業からの沿革を紹介しました

事業拡大を振り返る中では、1970年代に「アートディレクション」、2000年代には「情報設計」など、当時まだ浸透していない概念や価値をクライアントに説明しながら、それぞれの時代ごとに事業の幅を拡げてきた話も興味深かったです。

さまざまな合併やグループ再編を重ね「時代に合わせて変化する」「一人のスターではなくチームの力で勝負する」社風が醸成されました。その結果として、トップダウンの戦略だけではなく、現場からの要望を会社が受け入れていく形で柔軟な働き方が実現しているのではないかという話でした。

代表取締役会長・上原さんからのコメントも紹介されました

会社と一緒に、個々人で働き方をつくる

「自分の仕事や働き方を実現するために何をしたか?」「これからどう働く?」というテーマのトークセッションでは、お三方それぞれの回答を聞きました。

それぞれの回答をもとにトークセッション

「会社は基本、交渉相手」という渡邊さんや「会社は相談相手」という横山さんなど、スタンスの違いはあれど、働き方は会社が用意するのではなく、自分の責任でやりたいことを発信してみることが大事とのこと。また「新しいやり方を積極的に試すこと」が大切という話では、確立した方法を崩して意外なメリットに気づいたこと、やってみて失敗してわかることもあったという経験談に、背中を押された方も多かったことでしょう。

フリートークでの軽快なやりとりに、仲のよさがうかがえました

筒井さんの「社内外に広く目を向けると、もっと面白い出会いや多様な選択肢が見えてくるはず。収入や働きやすさ、やりがい、実績など、すべてを会社任せにするには限界があると思う。いろんな情報を得られる時代なので、個々人で働き方をつくる人がどんどん増えると面白いんじゃないかな。」というこれからの働き方についてのコメントに、多くの人がうなずいていました。

三者三様のキャリアやライフスタイルを交えつつのトークセッションは、和やかなやりとりで幕を閉じました。多彩なジャンルで活躍するお三方の話は、会場の皆さまが前向きに「働き方」のヒントを得るきっかけになったのではないでしょうか。

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