「テクノロジーが実現するインディビジュアルの時代」前編

インタビュー

2018.08.02

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鈴木 徹 氏
on fleek株式会社 代表取締役社長
1980年代後半に日本IBMに入社。メインフレーム機のOSやJava仮想マシンなどの海外開発部門での活動や国内・海外のお客様サポートなどのグローバルチームでの活動などを経て、Watson IoT事業部にてIoTのテクニカルリードとして新しいビジネス価値を創出。2017年8月よりTooのCTOに就任。趣味は野菜作り。

まずは人物紹介

Too:こんにちは。Tooの椎野です。
今回はTooでもいろいろ技術面でサポートいただいている鈴木徹さんにお話をお伺いします。ではトールさん、今日はよろしくお願いします。トールさんには、昨年のdesign surf seminarで「AIをデザインする」というテーマのトークセッションにもご登壇いただきました(セミナーレポートはこちら)。まずはトールさんご自身のプロフィールをざっくりとお話しいただけますか。IBMにいらっしゃったんですよね?

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on fleek株式会社 代表取締役社長 鈴木 徹 氏

鈴木:お客様のサポートとかOSの開発をしていました。
日本IBMの社員でしたが、米国ニューヨーク州郊外の開発拠点を中心に英国やカナダ、インドなどあちこちの工場や研究所で仕事をしていました。

Too:エンジニアさんだった。

IBMからオープンソースへ

鈴木:そうです。ただ僕は研究者ではなく、お客様のニーズに対応する開発者でした。IBMでいろいろな仕事をしている間に世界中にさまざまな友達ができて、現在も彼らから世界の流行や流れがリアルに聞こえてきます。そんな中、2010年を過ぎた頃から、会社独自の閉じた技術よりオープンな技術の方が面白くなってきました。昔は技術は隠すものだったし、秘密でした。そこへオープンソース、UNIXなどが勢いを得てきました。AIに限らず、最初からすべて自分たちで作るのではなく、オープンな技術を組み合わせて面白いものを作っていく時代になってきました。そういうのが面白いなと。もちろんIBMも次第にそういう方向になったけれど、一企業に閉じていないオープンな技術をいろいろ組み合わせてパッと使える方がいいと思い、独立に至っています。

『あなたのAIをデザインする』時代

Too:ではAIの話に移らせてください。

鈴木:昨年のdesign surf seminarのとき、「AIをデザインする」というタイトルでお話しして何かちょっと足りないと思ったんですが、お伝えしたかったのは「あなたならではのAIをデザインする」ということだったのでは、と思い当たりました。 技術の進歩で誰でもAIが使えるようになり、習得に長い時間や人手がかかって大変なことや情報が複雑すぎて把握しきれないことなどをAIが代替してくれるようになってきており、皆さんの生活や仕事で役に立つ道具としてAIを上手に使う時代がきていると思います。

「人工知能」という言葉がとっつきにくさの原因と思いますが、自分用の学習可能なアシスタントツールと思えばそれほど違和感もないのではと思います。AIは繰り返しを学習するので、単純で面倒な作業からはじめて、グループで共有されているノウハウなども上手に学習させることで、AIのいろいろな使用方法が広がっていくのではと思います。パーソナルなアシスタント、というイメージですね。

Too:自分だけのアシスタント。

鈴木:はい。ネットの進化に伴い、いろいろな情報がどんどん個人の好みに最適化されてきていると思います。個人指向(Individualism、インディビジュアリズム)ですね。Amazonのような大手通販サイトで買い物をすると、次回お薦めの商品をリコメンドされると思いますが、このような個人指向によるアプローチはAIによってはじめて実現されました。

従来型のビジネス・プロセスや行政の仕組みなどはまだ昭和式(昭和システム、と呼んでいます)のマス(大量)の仕組みが多いと思っていますが、現在はどんどん面白いことや新しいビジネス価値が「個人」に特化されつつあり、ネットが生み出す個人向けの価値創出のスピードがかなり速くなってきていると思います。

そういった個人向けに発信されていく価値の展開において、ネットの膨大な情報を個人の努力で検索したり分類したりするのはあまり効率的ではなく、自分の好みを知っている自律的なアシスタントを通して、ネットの生み出す新しい価値を楽しんでいく、そのツールとしてAIを上手に使う、と考えてもらうとわかりやすいかと思います。

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個人の生活の変化

Too:一般消費者の生活も変化してきますよね。実感するのはどういうところでしょう?

鈴木:やはり食べるとか洗うとか片付けるとか、普段の生活動線で接する際に気付きやすいのではと思います。またスマホやタブレットはすでに生活の一部になっていますが、その中では既にさまざまなAIサービスが使われていますよね。

Too:例えばスマートスピーカーやスマホに話しかけて答えをもらうとか、自動車がぶつかりそうになったら止まる。最初聞いたときはビックリしたけど、すでに自然に受け入れているように思います。あっという間ですよね。

鈴木:90年代後半以降に生まれた世代は、最初からデジタルな機器に囲まれて育っていて、ネットは当たり前に存在する生活環境の一部です。例えば、スマホがつながらない=友達と連絡が取れない、生活が滞る、となり、進化の影響をより強く受けていますね。

さらに、海外の人とのコミュニケーションについても、これまでは英語の勉強が国際化の一歩でした。今後はネットに接続すればAIが翻訳や通訳をやってくれるので、場所や時間の制約が軽減されたグローバルな生活が当たり前になると思います。YouTuberやV-Tuberは最初からグローバルですね(笑)意識せずにAIやデジタルが生活の一部になっていると思います。


後編に続きます。

後編はこちら

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