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パッケージデザインの新しい魅力と価値を広く伝えることを目的に「昭和100年パッケージ」展が、2025年12月23(火)日〜30日(火)の期間、渋谷ヒカリエ8/COURTで開催されています。
日本パッケージデザイン協会(JPDA)様が主催する展覧会の様子とともに、企画に込められた想いを紹介します。
これまでのパッケージデザインを振り返りながら未来への想像力を掻き立てる
本展覧会は、2025年が「昭和100年」にあたることにちなんで「もしも昭和が続いていたら?」というテーマのもと企画されました。
会場では、時代を超えて愛されてきた昭和の商品パッケージをアーカイブ展示で振り返るとともに、現代のデザイナーが自由な発想で手がけた創作作品が並んでいます。これまでの時代の変化を振り返りつつ、現代の解釈によって「もう一つの昭和」を表現し、未来へ想いを馳せられるようなユニークなパッケージデザインの展覧会です。
創作作品は、主にJPDA会員からの公募で集められました。昭和の時代を経験してきたベテランのデザイナーはもちろん、昭和を知らない20代・30代のデザイナーによる作品も多く、世代を超えた多様な切り口の作品が揃っています。
壁面には、昭和1年から昭和100年(1926年〜2025年)の出来事とその時代に発売された商品をまとめた年表が。展示エリアには、現代のデザイナーが手がけた創作作品が置かれています。
「昭和」の時代を現代のデザイナーの発想によって再解釈
展示は年代ごとに分けられ、デザイナーが手がけた作品も対応する年代に並べられています。
自分の思い出の中にある昭和の風景を表現したものや、当時流行した文化やモチーフを再構築したもの、さらには想像上の昭和を表現したものまで、「昭和」というテーマがそれぞれの感性で作品になっていました。
例えば、昭和の暮らしの中で特別な存在だった“石鹸”をインテリア性のあるパッケージに包んだ作品や、おはじきをイメージして昭和の楽しい思い出を込めた植木鉢、当時は一般的だった藁の包みをコーヒー豆用のパッケージに再構成したものなど、どこか温もりや優しさを感じる作品ばかりでした。


展覧会を企画したJPDA展覧会委員会のメンバーは、実際の作品を初めて見たのが会場設営時だったそうです。梱包を開いた瞬間、純粋に感動してワクワクする作品ばかりだったといいます。
来場された方々も、「これ知ってる!」「こんなの使っていたなぁ」と昭和の時代を懐かしみながら、アーカイブ年表と創作作品を交互に見比べて、思い思いに楽しんでいる様子が印象的でした。
私たちの生活と強く結びつくパッケージデザインの魅力
本展覧会の企画運営を担当されている、JPDA理事の石浦弘幸様にお話を伺いました。
Too:改めて、今回のテーマや展覧会の開催に込めた想いを教えてください。
石浦様:JPDAでは2年に1度定期的に展覧会を開催しており、今回で7回目の開催となります。テーマは委員会メンバー全員でアイデアを出し合うのですが、2025年はちょうど昭和100年という節目の年でもあり、この一度きりの機会に「昭和」を切り口にした展覧会を開催したいと、展覧会委員会で満場一致で決まりました。
展覧会を通して、パッケージデザインの魅力を、世の中のより多くの方に知ってもらうと同時に、デザイナーが普段の仕事とは異なる視点でクリエイティビティを発揮できる場を作りたいという意図もあります。
JPDAにはデザイナー同士のネットワークはもちろん、メーカーやサプライヤーの方々など、さまざまな立場の方とのつながりがあります。今回の展示でも、それぞれの視点や立場から、多様なアプローチによる作品が集まり、非常にバラエティに富んだ展示になったと感じています。
Too:来場される方々には、どのような点を楽しんでほしいですか?
石浦様:「懐かしいな」「こんなのあったな」というノスタルジーを感じる方もいれば、今の生活と重ね合わせながら未来を想像する方もいると思います。親子で展示を見て、新しい会話が生まれたりするのも嬉しいです。来場された方それぞれが、自由な感性で「昭和」を感じ取ってもらえたらと思います。
パッケージザインは、身近な道具や食べ物など、生活に密着したものを包み込むデザインです。自分が手がけた製品が誰かの手に渡り、その人の生活で役に立ったり、大切な人とのコミュニケーションを生んだり…。この仕事をしていて感じる、パッケージデザインならではの面白さはそこにあると感じています。
Too:会場に並ぶ作品は、どれもこの展覧会のために制作されたもので、多様な視点と想像力が詰まった非常に贅沢な空間でした。石浦さん、ありがとうございました!
展覧会の企画運営リーダーの小川裕子委員長(左)と石浦弘幸理事(右)。
12月26日(金)には、「昭和100年パッケージ展記念講演 100年企業クロストークセッション」も開催されます。こちらもぜひご覧ください。
展覧会概要はこちら
日本パッケージデザイン協会インタビュー記事はこちら
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