探訪!Dropbox Japan株式会社様

インタビュー

2022.03.18

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パートナー営業本部本部長 玉利裕重氏(中央)
パートナー営業本部 ディストリビューション営業部 エグゼクティブパートナーマネージャー 福地高志氏(右)
コミュニケーションマネージャー 長井明日香氏(左)

メーカーさんを訪問して、皆様の使っているツールが提供される背景を取材するシリーズ。今回は、新しい働き方の実現のためにワークスペースを提供するDropbox Japan株式会社にお話を伺いました。


Too:私も学生のころから使っているツールなので、今日はお話を聞くのが楽しみです。まずは御社について教えてください。

玉利さん(以下、敬称略):私たちは「スマートな働き方をデザインする」を企業理念に掲げています。提供しているサービスはクラウドストレージが主体ですが、情報の置き場所としてだけではなく、情報をチームで共同作業しながら活用することによる働き方の生産性向上を目指しています。最近は特にパンデミックの影響により強制的に分散ワークが発生したことで、情報をどのように共有するか、外部から情報にどうセキュアにアクセスしていくか、これらが一層重要な課題となりました。

コミュニティを越えた情報共有を叶える

玉利:Dropboxが得意としているのは、文教・建設・クリエイティブの3つの分野です。それぞれ共通しているのが、ユーザーがITのプロフェッショナルとは限らない点と、所属コミュニティを越えた情報共有が必要な点です。学生ならゼミやサークルなどに所属していますし、建設ではジョイントベンチャーで複数の企業とやり取りすることが一般的です。また、やり取りする情報はドキュメント1枚だけではなく、動画や制作ソフトで作成したクリエイティブ素材等の大容量データも含まれます。Dropbox Transferやファイルリクエストはもちろんのこと、「クリエイティブツールズアドオン」を活用することで、データサイズに関係なくリンク一つでシームレスにやり取り可能です。

玉利:この3つのどの分野でも、日々会議で意見交換をすることがあると思います。日本では情報共有のためだけの会議や、参加して初めて当日の議題が分かる会議が多いですが、会議は3つのD「Decision」「Debate」「Discussion」に本来フォーカスすべきです。例えばオンラインで複数人が同時に使えるホワイトボードのようなツールDropbox Paperを活用することで、事前に議題を書き込んで共有したり、動画も資料もなんでも貼ることができるため、生産性の高い会議を行うことができます。「あのファイルどこだっけ」とか「あの人が今いないから仕事が進まない」という現象を解消し、人がやるべき業務に集中できる環境を作るのがDropboxの役割です。

パフォーマンスを最大限に引き上げる「バーチャルファースト」

Too: 2020年10月にバーチャルファースト宣言をされました。具体的にどういった内容なのでしょうか?

玉利:働き方において、100%リアルが正しいのか100%リモートが正しいのか、もしくは両者を自由に選べるハイブリッドがいいのか……それぞれに課題があります。それなら我々は、その3つ以外の新しいものを目指したい。自分が一番快適に働ける環境で仕事をしようというのが、「バーチャルファースト」の考え方です。

玉利:Dropbox Japanは東京と大阪の周辺に大部分の社員を集約していますが、例えば、日本全国のお客様をサポートする営業責任者は、大阪オフィス所属です。そうした役割の人間は東京にいるケースが一般的かもしれませんが、「バーチャルファースト」で考えると、役割を果たすのに適切な人間が役割を全うできればいいわけで、住んでいる場所は関係ありません。私も本日は山梨から取材に参加していますしね(笑)。一方で、雑談によって生じるイノベーションや、お客様とのエンゲージメントが希薄になる懸念についてはしっかり考えなければいけません。

福地さん(以下、敬称略):2021年12月に「Dropbox Studio」という、チームビルディングやアクティビティーに用いるためのスペースをオープンしました。社員同士のコラボレーションやお客様との打ち合わせなど、人と人が交流するためのスペースです。新しい働き方をDropboxの社員自身が経験し、ユーザーの皆様にその知見をご提供する活動にも挑戦しています。その一つが、バーチャルファーストツールキットです。

studio.png新たに東京に設置された「Dropbox Studio」

玉利:「分散環境で働くためには業務内容を言語化しなければいけない」や「働いている一人一人が、指示待ちではなくて、何のために働いているのかを理解することが大切だ」など、これからの企業に必要な考え方や、具体的なワークショップの例がまとまっています。

玉利:バーチャルファーストというと、「グローバルな一部のIT企業しかできないんでしょ」というメッセージにも聞こえかねません。我々も絵に描いたような戦略通りにここまで来たわけではなくて、壁にぶつかりながら今も模索し続けている途中です。そこで得た失敗も成功も含めた経験を、製品機能に落とし込んでいくことを目指しています。今話したことは、必ずしもテレワーク推進だけに当てはまりません。多様性のある働き方や、現場で働いている人の生産性向上などに役立てればと考えています。

仕事をさらにクリエイティブに

Too: Dropboxは常に便利な機能が追加されますが、ユーザー様に特に知っていただきたい新しい取り組みを教えてください。

玉利:我々にとって親和性の高いのが「契約」に関する分野です。ハンコ文化が根付いた日本で、スマートな働き方の実現に契約・捺印がネックになる企業も多いと思います。加えて、合意・捺印などの瞬間的なプロセスだけではなく、契約した書面の管理も重要です。これら一連のフローを電子化し、働き方の自由度と生産を上げていくために、電子署名Hello SignをDropbox Businessと組み合わせてご利用いただけるよう積極的に展開しています。

長井さん(以下、敬称略):最近NFTが話題になっていることから、デジタルコンテンツ販売に注目が集まっています。クリエイターエコノミーに寄与する、作成したデジタルコンテンツ販売アプリDropbox Shopを、グローバルにおけるベータ版展開に向けて準備を進めている最中です。クリエイティブを仕事にしている方に限らず、サイドビジネスや趣味で、自分で制作した作品をDropboxに保管されている方は多いと聞きます。また、近年のパンデミックで、自宅で過ごす時間を趣味に費やされた方も多いと思います。そのような方にもご活用いただけるような機能になるように展開を進めていきます。

長井:その他、気軽に送れるビデオメッセージのようなツールDropbox Captureや、動画にフレーム単位でフィードバックでき、かつ各種動画編集ツールとの連携も可能な動画コラボレーションツールDropbox Replayは、Tooさんのお客様に特に刺さるツールではないでしょうか。この2つも現在ベータ版での展開ですが、ぜひ触っていただきたいです。

ツールの垣根を越えるDropbox

Too:御社自身も試行錯誤しながら、そこから得られた経験がツールとして私たちのもとに届いているのですね。今後新たにチャレンジされたいことも教えてください。

玉利:「スマートな働き方をデザインする」という企業理念の根幹には、多様な働き方の促進があります。Dropbox自身も機能性をどんどん拡張していきますが、他のツールとの連携にも力を入れていきたいです。クラウドが普及することによって、かえってツール同士の行き来が不自由になっている側面もあります。Dropboxは共通の情報基盤として機能することによって、各SaaSの便利な機能はそのままに、ツールの垣根を超えた製品の提供を目指していきます。

Too:すべてがDropbox上で完結する……そんなことが叶ったら、今とは比べられないほど作業が効率化されそうです。最後に、Tooはどのようなパートナーか教えてください。

福地:Tooさんはクリエイティブ業界に古くから携わっていることもあって、現場のニーズをどこよりもご存知だと思います。Dropboxのこの機能はこのようなユーザー様にピッタリだなど、アイデアやご意見を率直にいただけます。これからも、クリエイティブ業界を一緒に盛り上げていけたら嬉しいです。

玉利:クリエイティブ業界とDropboxは非常に親和性が高いので、Tooさんを通じて生産性向上という体験をお届けしていただきたいです。Tooさんが取り扱っている、編集ツールや作画ツールなどとDropboxを組み合わせることで、活きた情報の交換庫になると思います。また、Tooさんのお客様は、新しいツールへのアダプトが早い方々が非常に多い印象です。そういう方たちがDropboxをご活用されることによって、私たちが思いも寄らないアイデアが生まれてくると期待しています。

Too:お話を通じて、御社のミッションとTooのミッションは通じるところがあると感じました。今後もクリエイティブを共通の入り口として、お客様が本業に注力できる環境づくりに一緒に取り組んでいきたいです。ありがとうございました!


Dropbox Japan株式会社

<編集後記>
取材後Dropbox Japan様では、他の企業様とともに多様性のある働き方の推進を目指すバーチャル ファースト アンバサダー プログラムを立ち上げました。次々と新たな取り組みを発表するDropbox Japan様の、今後の挑戦にも注目です。

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