探訪!オートデスク株式会社
コピックでの作画・制作をより楽しいものにすることを目的にしたコンテスト、コピックアワード2021の作品応募が5月からスタートしました。今回はTooの古正が、企画や運営を主体となって行っている、G-Tooマーケティング部の村田さんにコピックアワード開催に込めた想いを聞きました。
作品の想いを伝える唯一無二の場に
古正:4回目の開催を迎えたコピックアワードですが、年々応募数も増え、世界各国から参加してくださったりと、回数を重ねるごとに規模が大きくなっているように感じます。改めて、開催の目的や魅力を教えてください。
村田:コンセプトとして掲げているのは「作品をつなげる」ことです。自分が所属しているコミュニティのみで作品の発信が完結しまうこともあると思います。それでももちろんいいのですが、コピックアワードでは、イベントを通して普段意識しないような作品を見たり、見られたりすることでより日頃の創作活動が楽しくなることに期待してこのコンセプトを掲げています。コピックアワードでは公開審査をクリアした応募作品はすべてウェブ上に公開するので、入賞してもしなくても全世界の人が見ることができます。自分の作品を世界中の人に発信することで、新たなつながりが生まれてほしいという思いを込めています。
「テーマがない」ということも、コピックアワードの大きな特徴だと思います。決まったテーマがないからこそ、今年はこれを描くぞといった強い想いを感じる作品が多いです。皆さんの思いの丈を発散できるような、唯一無二の場所を目指して開催しています。
古正:確かに、すべての作品を見ることができるコンテストは珍しいですね。コピックアワードを通じて、実際にどのようなつながりが生まれましたか?
村田: 応募した作品をTwitterやInstagramなどのSNSに投稿することで、作品へのコメントやフォロワーの数、いいねの数が増えたなど、目に見える数字の変化はかなりあるようです。受賞者同士がSNSで交流している様子を見ることもありますし、また、過去のコピックアワード受賞者さんがコピックのメイキング本を出したりと、新たなお仕事が生まれるきっかけになっているのも嬉しいところです。
原画の力を存分に感じる
古正:活躍の場を広げる機会にもなっているんですね。さて、毎年内容がブラッシュアップされているコピックアワードですが、今年の見どころを教えてください。
村田:まずは賞の数を増やしたことです。クラフト賞を2種類にし、特別賞としてファッションイラストレーターであるホリー・ニコルズさんが選ぶHolly Nichols賞、各地域から選ばれるエリア賞を新たに作りました。入賞の可能性が広がることで、参加者の皆さんのモチベーションも上がるのではないかと思います。また、海外へのコピックアワードの周知に力を入れています。例年海外から素晴らしい作品がたくさん届きますが、さらに応募が増えるのではと期待しています。
古正:さまざまなジャンルの賞があることで、自分の得意分野で応募にチャレンジできそうですね。今年も豪華な審査員の方々が参加されています。
村田:今年は漫画家の大暮維人さん、デザイナーの根津孝太さん、イラストレーターの原田ちあきさん、アートディレクターの松下計さん、そしてキュレーターの藪前知子さんと、異なる分野のプロに協力していただきます。
審査員の方にはすべての応募作品に目を通していただきますし、アナログ画材で制作した作品であるため、最終審査で行われる原画審査はかなり重視しています。世界各国から作品が届くので、作品の管理や返却の手間を考えるとすべてオンラインで完結する方がもちろん楽ではありますが…一次審査時にモニター上で気になった作品って、ものすごいパワーがあると思うんです。
昨年も、生で見ることで作品の印象が変わったという意見も多かったですし、もっと好きになったという声も多く上がりました。じっくり時間をかけて選ぶだけに、審査員の方にとって作品に対する思い入れも強くなるようです。もちろん、運営側の私たちも自分の目で見ることをとても楽しみにしています。
一対一での情報発信も大切に
古正:自分の作品を憧れの審査員の方に見てもらえるなんて、考えただけでワクワクしてしまいます…!世界各国から参加を募るだけに、プロモーションにはとても力を入れている印象があります。
村田:特に力を入れているのは、SNSを活用したプロモーションです。オンライン広告を活用し、コピックアワードの存在をまだ知らない人にも情報が届くようにしています。また、これまでの入選作品の紹介や受賞者インタビュー記事公開の告知など、参加者に役立ちそうな情報は常に発信するようにしています。他にも、コピックアワードに参加して起きた変化を伝えられるように、参加者や受賞者の方に応募した感想やその後の制作活動などを聞いています。過去のグランプリ受賞者の方にコメント動画を撮影していただいているので、これから公開予定です。
嬉しいことに、コピックアワードに関するSNS上でのコメントは年々増えています。今年は3月10日に情報を解禁しましたが、「待ってました!」と熱量が伝わるコメントを多く見ることができました。他にも、「そろそろコピックアワードの絵を考えようかな」などの前向きな投稿を見ると、年1回の創作活動の一つとして考えてくれているんだなと実感できてとても嬉しいです。
あとは「このサイズは応募OKですか?」などの素朴な疑問を投げかけてもらうことで、運営側では気がつけなかった、応募する上でのハードルを発見できます。ちょっとした心配事がきっかけで応募を諦めてしまう人もいるかもしれないので、公式サイトに書いてある情報もあえてSNSで投稿するなど、いろいろな方面からフォローしています。情報発信のヒントをもらえるのがとてもありがたいですね。
古正:ユーザーとコミュニケーションが直接取れる、SNSならではの情報発信ですね。オンラインでの発信以外でも、コピックを扱っている店舗などにポスターが貼ってあるのを目にすることもあります。
村田:一対一の情報発信は改めて意識するようになりました。オンラインでの広告出稿はお金を払えば露出は増えますが、広く浅く広告を打つのと、今までのつながりを活かしてピンポイントに情報を伝えるのだと、得られる反応も違うと実感しています。
全国の漫画関係の美術館や博物館、クラフトやアルコールインクアートの教室などに連絡を取ると、快くポスターなどを置かせていただけることが多いんです。他にもTooのお客様である学校様に宣伝したところ、授業でコピックアワードの作品制作に取り組んでくださったこともありました。オンラインでの情報発信も活用しつつ、日頃からコピックを愛用してくださっている方々や、学校、販売してくださっているお店へ向けた発信も大切にしていきたいと考えています。
参加者と一緒に育てるコピックアワード
古正:作品応募が始まり、これからますますコピックアワードも盛り上がっていきます。最後に、コピックアワード運営のやりがいや、今後に向けた意気込みを教えてください。
村田:私自身、学生の頃から趣味でコピックでイラストを描いていたこともあり、人の作品を観ることが好きなので、日々集まる作品をわくわくしながら見ています。審査員の方々の視点を通して作品を観られることも面白いです。最近の話ですが、去年受賞した作家さんが、コピックアワードの入賞がきっかけでSNSを始めるなど活動の幅を広げられたとおっしゃってくださって。そういうお話を聞くと、開催していてよかったなと純粋に思います。
開催回数を重ねるごとに規模や参加者が広がりつつも、まだ4回目のイベントです。コピックは他の画材と比べるとまだまだ歴史も浅い方ですし、マーケティング部では「コピックアワードはみんなで育てていこう」という認識でいます。皆さんからの「こうしてほしい」や「こうなったらいいな」などの声も取り込んで、一緒に成長していく姿をお見せできればいいなと思っています。コンテストの体裁を取ってはいますが、まずはコピックを使ってくださる方の共通のイベントとして楽しんでもらいたいので、チーム一同皆さんの応募をお待ちしています。
古正:今年もすでにたくさんの作品が届いていて、ワクワクしながらコピックアワードのサイトを覗いています。世界中のコピックファンをつなぐイベントとして、たくさんの人が参加してくださると嬉しいですね。村田さん、ありがとうございました。
COPIC COPIC AWARD2021